腸内フローラについて
腸内フローラとはなにか?
腸内フローラとは腸内細菌の生態系のことです。
別名を腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)といいます。
腸内細菌がある程度の集団を形成し分布しているようすを表しています。
「叢」は、草が群がり生える。「くさむら」の意味があることから
お花畑をイメージする説明をされることが多いようです。
腸内細菌はヒトの腸(小腸や大腸など)に1000億種類、1000兆個程度住み着いています。
その中で善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3パターンに分類されます。
つまり、「腸内フローラがよい状態」とは腸内の善玉菌と悪玉菌と日和見菌が
良いバランスを保ちながら飽和状態で住み着いることです。
(善玉菌と悪玉菌と日和見菌の割合が2:1:7が良い状態です。)
腸内フローラは今まで腸内環境と呼ばてれいた内容とほぼ同じ意味に使われています。
最近はテレビ番組や本で「腸内フローラ」という言葉が使用されています。
おそらくイメージしやすいことと”フローラ”の持つ意味(花と春と豊穣の女神)と
響きの美しさから広まっていったものと思われます。
人間の場合、出産前の胎児には腸内細菌は存在しません。
出産時に産道を通る際、胎児の口や鼻から細菌が侵入します。
なので母親とこどもは似た腸内フローラとなります。
母乳や産院の環境からの影響で新生児の間に腸内フローラが形成されます。
腸内フローラはこどもの時期にほぼ固定し、急激に変わることはありません。
ただし、老年期になると善玉菌の割合が減って悪玉菌の割合が高くなる傾向にあります。
腸内マイクロビオータとは
腸内マイクロビオータと腸内フローラと腸内細菌叢は 同じ意味と考えてもさしつかえありません。
ちなみに2004年9月に発行された「べんのお便り」(辨野義己 著)では
『このような腸内細菌の集団を「腸内フローラ(Intestinal=腸 Micro=細菌 Flora=花畑)」と呼ぶのが一般的でした。(中略)現在では、腸内細菌の状態を「腸内マイクロビオータ(Intestinal=腸 Micro=細菌 Biota=生物相)」と呼ぶことが主流になっています。』
と記述されています。
現在では、皮肉なことに「腸内フローラ」で一般に広まっています。
○○フローラ
他にも口の中の細菌叢を口腔内フローラということも増えてきました。
女性の膣内にも細菌が住み着いており膣内フローラと呼ばれています。
膣内フローラは腸内フローラと強い相関関係があります。