あなたににも起こり得る!アニサキスの食中毒!
アニサキスという寄生虫による食中毒の事例が話題になっています。
感染が心配だと思うので、症状・予防法・治療法について調べてみました。
アニサキス症の症状について
●急性胃アニサキス症
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
●急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。
※多くが急性胃アニサキス症です。
芸人の庄司智春さんの場合を紹介します。
夏に地方ロケで鮭いくら丼を食べたところ、夜中に「痛い、痛いって。前屈みになるぐらい」の胃痛で目覚めました。
しかし数分すると痛みが治まることから寝ようとすると、また「痛い、痛い、痛い、ヤバイヤバイヤバイ!」
というほどの激痛に見舞われ結局朝まで一睡もできませんでした。
「腹痛というよりは胃が痛いという感じ。下すとか下痢になるという痛みではない」と症状を説明しています。
潜伏期間は「摂取後早いもので1時間、遅いもので36時間、約70%が8時間以内に発症している」という報告があります。
アニサキス症とは
アニサキス症は、アニサキスが胃壁や腸壁に刺入(刺して潜り込む)して寄生虫症です。
アニサキスは、アニサキス亜科幼虫(Anisakidae)の総称で、
イルカ、クジラ、アザラシなどの海洋に生息する哺乳類を終宿主とし、
これらの胃に寄生する線虫です。
虫体の多くは、長さが2~3cm、幅は0.5~1mmぐらいで、白色で少し太い糸のように見えます。
アニサキス症は、それらが寄生した部位によって、胃アニサキス症、腸アニサキス症、
腸管外アニサキス症に分けられ、ほとんどは胃アニサキス症です。
日本国内のアニサキス症の原因食品は、北海道を除き、さば類が最も多く、
これ以外では西日本や関東では、いわし類、かつお類等、
東北から北海道では、さけ類、いか類、サンマなどが報告されています。
年間2,000例以上の症例の報告があります。季節的には12~3月の寒期に多いです。
別資料では、多発時期は2~5月が多いとの報告があります。
致死率について:本症による死亡例はありません。全身性のショックを引き起こすことがあります。
アニサキス症の予防法
■魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。また、丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。
■内臓を生で食べないでください。加熱してください。(60℃では1分、70℃以上で瞬時に死滅します。)
■目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。
※一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。
アニサキスの目視について参考動画を紹介します。
アニサキス症の治療法
問診によりアニサキス症が考えられれば、ただちに内視鏡検査を行い、鉗子で幼虫を摘出します。
駆除する薬は現在ありません。
放置した場合は通常1週間程度で死んで吸収されます。
まとめ
魚、イカ、イクラなどを生で食べて数時間後に胃が激痛に襲われたら、
病院に行き経緯(いつ、何を食べた)を説明してください。
1番の予防法はしっかり熱を通すことです。食酢、塩、醤油、わさびを付けても死滅しません。